金井:荒川さんの経歴をお伺いします。東京の大手似顔絵プロダクションに長く在籍されていましたが、それ以外に似顔絵営業のご経験はありますか?
荒川(rioka):そうですね。子供の頃から絵が好きで学校の先生とか、よく描いてました。地元のデザイン学校を卒業後就職しましたが、九州の観光地で似顔絵を描く仕事を週末のみでしていました。副業的な感じで。
金井:九州で修行をされた後に大手プロダクションさんの専属作家になられたのですね。
荒川さんの似顔絵はまさに「POPで明るく可愛い!」似顔絵。誰も描いていないスタイルなうえ、万人に喜ばれる似顔絵です。
私自身も初めて荒川さんの似顔絵を見て「この世にこんな可愛くて似ている似顔絵があるのか!」と驚きました(笑)
金井:このスタイルで似顔絵を描く!と決めたきっかけは何でしょうか?
荒川:先輩方に似顔絵の描き方や営業方法などを教わりながら初めてみたのですが、正直、それが自分が望むスタイルではなかったんです。
技術はあってもお客様と一切お話しない方、営業ブースが少し汚れていたりと。。。それを見るたびに、自分だったら「このブースで似顔絵を描いてもらおう!」とは思えないよなぁ。。。と考えていました。
金井:今のように明るくフレンドリーでお客様が入りやすい似顔絵ショップは本当に少なかったですよね。黙々と似顔絵を描いて、さっと渡すだけの方が大多数でしたし。
荒川:机に汚れた画材や雑巾が置いてあったりとかね(笑)。それを見てさらに自分はお洒落で綺麗なブース作りを目指しました。
学生時代にケーキ屋さんでバイトをしていたので「ケーキ屋さんのような綺麗でオシャレなブースで、明るく接客したい」と思いました。
金井:なるほど。ケーキ屋さんでのアルバイト経験がrioka流POP似顔絵の原点なんですね!
荒川:それまでに似顔絵というジャンルの基礎を諸先輩方が築いてくださったからこそ現在に至るので、そこは本当に尊敬しています。
対面で限られた時間で絵を描く事、似顔絵コーナーとして営業するノウハウ、そして人物を似せて描く技術そのものが先輩方が残してくれた財産です。
ただその上で、今の時代にあったスタイル、画風、接客方法などさらに進化させた新しいスタイルに挑戦したい!という思いがありました。
金井:何事も「はじめの一歩」を出してくれた方がいるから道が続いているんですよね。 先人への敬意と感謝は忘れてはならないし、これからも語り継いで いかねばなりませんね。
インタビューした似顔絵師
金井かすみ
- 2011年 似顔絵楽座・竜王賞 準優勝
- 2013年 ISCA アジア似顔絵大会出場 スタジオワーク部門 優勝
- 2014年 日本テレビ「スクール革命」
- 2014年 日本テレビ「ぐるナイ」
などの受賞・メディア出演歴を持つ。
作家のイメージとはかけ離れた(?)圧倒的なマシンガントークでお客様とお話しながら描く姿は名古屋名物と言われているとかいないとか。 そんな金井が自らの経験から得た事や似顔絵制作にまつわるアレコレをマンガとイラストと共にコラムとしてお伝えします。